本ページでは、JR北海道の札幌圏の普通列車・快速列車の車両を簡潔にご紹介します。
JR北海道の札幌圏の普通・快速列車は、20世紀末までは近郊型車両(ボックスシートまたは転換式クロスシート式)が主となっていましたが、1995~6年頃から通勤型車両(オールロングシート式)が登場し、2020年7月現在は大半が通勤型車両での運用となっています。
札幌圏の普通列車
以下が札幌圏を中心に運行中の列車です。簡潔ではありますが、順番に解説します。
721系
順に721系普通列車(F-5001編成 小樽駅)、快速エアポート(F-4101+F4201編成 千歳線南千歳駅)
711系に代わる車両として、1988年(昭和63年)11月3日に営業運転を開始。3両1編成または6両1編成を基本としており、全135両が札幌運転所所属となっています。
現在は札幌近郊エリアと旭川近郊(滝川以北)の普通列車または・快速(特別快速)『エアポート』で運用されていますが、札幌圏での運用は減少傾向で、後述の731系・733系・735系に主役の座をあけ渡しつつあります。
営業最高時速は120km/h。一部列車(3000・4000・5000番台)は130km/h対応となっていますが、2014年(平成26年)8月30日ダイヤ改正で130km/h運転は終了しています。
車内は極寒仕様ということもあってデッキが備えつけられており(エアポート向け一部車両はデッキ無し)、座席は転換クロス式シートとなっています。起動加速度が711系の1.1km/hと比べ2.4km/hと大幅に向上しており、所要時間の短縮にも貢献しています。
721系の車内(順にデッキあり(普通列車向け)、デッキ無し(主にエアポート向け)
731系
札幌圏の通勤ラッシュ時の混雑緩和・運行遅延策、および711系電車の置き換えを目的に1996年(平成8年)12月24日に営業運転を開始しました。
現在までに3両1編成×21編成、計63両が在籍。札幌圏の普通列車で運用されています。また、721系・735系・733系・キハ201系との併結運転も可能です。
営業最高時速は120km/h、車内は道内初の通勤型車両として、オールロングシート・デッキ廃止。暖気・寒気の進入対策として乗降ドア周辺ににエアカーテン、ボタン開閉式ドアが設置されています。
731系電車の車内
本系列最大の特徴として、『キハ201系気動車』との電車と気動車の協調運転があります。小樽⇒札幌間限定で朝の通勤時間帯に1本設定されており、全国でも唯一の運用となっています。
731系電車(右)とキハ201系気動車(左)を連結した協調運転(函館本線南小樽駅)
キハ201系
小樽以西、倶知安・余市⇔札幌圏の輸送改善を目的に1997年3月22日より通勤型気動車として営業運転を開始しました。外観は上記の731系と帯色の違い、パンタグラフの有無以外に目立った違いがなく、車内の仕様に関しては全くといっていいほど同じとなっています。
電車並みの加速性能を誇り、営業最高時速は130km/hとなっています。特に函館線白石~厚別間と、大麻~野幌間は特急並みの速度で走行するため、非常に爽快感があります。
ただし、3両1編成あたり12億円と非常に高コストな車両であるため、現在まで3両×4編成の計12両にとどまっています。また、17時台に札幌から倶知安まで直通する快速『ニセコライナー』を6両編成(小樽以西は3両)で運転しています。
小樽駅に停車中の快速『ニセコライナー』
ニセコライナーの解説は↓↓コチラ↓↓
外観や車内の仕様は731系とほぼ同じで(帯の色が違うくらい)、オールロングシート・デッキ廃止。暖気・寒気の進入対策として乗降ドア周辺ににエアカーテン、ボタン開閉式ドアが設置されています。
また、上述の731系と併結して電車との協調運転が可能となっています。
735系
2010年(平成22年)、アルミニウム合金製車両の導入を検討するにあたり、導入実績のないJR北海道内の酷寒冷地での走行試験を目的にJR北海道が導入した試作車両です。
3両編成2本(6両)が製造されましたが、以降は製造されておらず、増備は下述の733系で行われています。そのため、遭遇率が非常に低く、なかなか巡り合う事ができません。基本ベースは731系電車と同じで、721系や731系、後述の733系との併結も可能です。
2012年(平成24年)5月1日から営業運転を開始し同年6月1日からは一部区間が電化された札沼線(学園都市線)へも乗り入れるようになりました。
733系
2012年(平成24年)、札沼線(学園都市線)の桑園駅~北海道医療大学駅間電化開業にあわせ、札幌都市圏の輸送力増強を目的に登場した通勤型車両です。
現在までに3両編成(基本番台)21本、6両編成(3000番台)11本の計129両が運用に就いています。営業最高時速は120km/hとなっており、721系や731系、735系との併結運転も可能です。
733系の車内(新千歳空港駅)
快速エアポートでの営業運転開始(3000番台:2014年7月~)
2014年7月19日より快速『エアポート』としても運用開始し、北海道内の通勤型電車初のデッキ付き車両と指定席車両(uシート)が導入されました。今後数年以内に、エアポートは733系で統一されるかもしれません。
733系3000番台:快速エアポート(小樽築港駅)
※ 快速エアポートについては以下の記事にまとめています。
JR北海道の空港アクセス鉄道『快速エアポート』とは?
『はこだてライナー』での営業運転開始(1000番台:2016年3月26日~)
2016年3月26日、北海道新幹線開業に合わせて函館~新函館北斗間に函館エリア初の普通・快速電車『はこだてライナー』の営業運転が開始となりました。
733系1000番台 快速『はこだてライナー』(函館駅)
※『はこだてライナー』については、以下の記事にまとめています。
JR北海道の新幹線アクセス列車『はこだて』ライナーを解説
『JR北海道』関連ページ
JR北海道では、札幌圏を中心に以下の列車が運用しています。詳細は以下のリンクから。
区間快速いしかりライナー(2020年3月13日運行終了)
快速・特別快速エアポート(721系・733系)
快速ニセコライナー(キハ201系)
普通・快速はこだてライナー(733系0・1000・3000番台)
その他
JR北海道各駅の階段やエスカレーター・エレベーターに近い停止位置情報は↓こちら